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ネズミの街 - 中 -
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「・・・と」
どうにもこうにもこんな雰囲気は今日が初めてというわけではなく暁にきてから最初はほぼ頻繁に自分の操を気にしなければいけないぐらいだった。
先ほどのデイダラの甘さ漂う行動といい、イタチもだがどこでスイッチが入るのか恋人同士ではないというのにそういった恋人同士特有の雰囲気を漂わせて蘭華に触れてくることが暁の男共には多く
あわよくば、な、とこまで他のメンバーがいないと仕掛けてくることもあるので最初の最初こそは、驚きうろたえ自分を守るのに必死になったものの最近では、これが暁のコミュニケーションというものなのだろうかと黙って、多少のことは受け流している蘭華。
他の全くかかわりのない者からみれば
『それは、どう考えても普通じゃないだろう。』
といわれるようなことの連続だが、
蘭華が当初嫌がった際に
「S心がくすぐられる」
などと言いながら寄ってこられたときにはもう、
『無心になるしかない。そう、これはここの日常なのだと。あいつらは誰にでもあーゆうことをしているような、そう、犬と一緒よ。』
と思うようになってからは全てが日常茶番時になった。
だから普通に第三者など関係ないと、そのままの格好で後ろで何考えているかわからないトビをチラチラみながら声をだす。
「ト?」
トビが、絶対に言うなと言わんばかりにジェスチャーしてくるのでつまってなにも言えない蘭華に首をかしげながら同じように発言するデイダラ。
「・・・なんでもない。それより今日の任務どこ行くの?」
『実は、先輩が凹んでるから後ろから覗き込んでみたら面白い顔が今なら見れる。』
との言葉につられてみたのに全然面白くなかった上になんだか自分が損している気分よ!
と言いたかったが、トビのそんな行動にもういいやと興味などないが任務の話をふる。
「んー、オイラ達は、「いくぞ、蘭華」」
自分に関心を持ってくれた蘭華にもう頬が緩んで仕方ないデイダラは蘭華の腰をギュッギュッと抱きしめ、
「可愛すぎんぞ。」
ボソリと言い、ニヤニヤしながら今日の任務内容をこたえようとしていたところに、イタチが、もういいだろ。と言わんばかりにソファーから立って任務に行く準備を整えながら蘭華に声をかける
二人の姿を目線に入れていた者たちにとって蘭華はデイダラの恋人かよ、と言わんばかりの甘い声と一方的になイチャつきにもともと気の長い者たちばかりではない、いら立ちを今後どう、デイダラにぶつけるかそれぞれ考えていた。
「はあーい!」
なんて元気な声で蘭華はデイダラからさっさと離れようと腰に回ってる腕をほどこうとするが
「ちょ、デイダラ、離してよ!今から任務ついて行くんだから!」
ムッとしてデイダラをみた蘭華にさっきまでの笑みもなくムッとしたように
「・・・オイラたちと一緒にくればいい、だろ?」
そう言って腰をもっと自分の方に近づける。
そんなデイダラに訳がわからないと
眉間にしわを寄せながら
「なんでよ?」
まじまじとデイダラの目を見て言う。
「今日はオイラといる日でいいじゃねぇか。うん」
蘭華は正しくは睨んだに近いのだが、デイダラはすんだ瞳に見つめられたように感じ少し頬赤く染めながらも蘭華を自分の腕から離そうとせずにいた。
見かねた、サソリが
「デイダラ、離してやれ。」
いい加減にしろよとばかりに
低く声をだし、鋭い目線だけやる。
「だ、旦那アァ!!」
何か言いたげにも納得してないに表情のまま最後の悪あがきとばかりに蘭華の顔にチュッチュッとキスを振らしギュっと抱きしめて
「これで我慢するから、今度任務ついて行くときはオイラについてこいよ、蘭華。」
やりたいことをやり、言いたいことだけ言って
瞬身の術で消えていったデイダラのその後を追ってトビも消える。
残された男たちのこのデイダラが残していったなんとも甘ったるい空気にいい気はせず暁のお姫さまである蘭華をみいやる。
「・・・なによ、その視線。イタチいくんでしょ?」
「蘭華、なんで抵抗しないんだ?」
「抵抗も何も、いつもあんたたちがしてることでしょ?」
「「「・・・」」」」
この言葉に各々思い当たる節がありなにも言えなくなる。
「わかってると思うがあの小僧にはあえねぇぞ。」