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いざ、性別変換。また行くのね
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いざ、性別変換。また行くのね
ディアと俺が魔物と城船に滞在して一ヶ月、彼も俺やボスとお揃いの服を着て居て違和感が無くなった頃だった
「ゼノガール!ヴァナータ異世界のボーイスクールに行くと小耳に挟んだんだけど?」
『ブラマヨ小杉…じゃなくてイワンコフさん、今日和。何処から情報が漏れやがりました?』
性転換をどうするか悩んでいた直後に来た電伝虫に暗躍する「何か」を感じ取って苦笑いを浮かべていれば、革命軍のイワンコフは俺に提案を申し出てくれたのだ
「ゼノ。どうしたんですか?」
『…カマバッカ王国に呼ばれたから行かなきゃ…あ。ディアはここに居てね?一緒に行ったら女装させられるか女性にされるから』
「何ですか、その禁忌の魔法薬の様な話…」
説明は帰ってきてからと、ディアを魔兎兄弟に預けて一人扉を潜った
『ぎゃぁぁああっ!来ないでーー(泣)』
「ヴァナータ。タダで願いが叶うと思っチャブル?代価を寄越しなさーい!!」
カマバッカのレディー達から逃げながら、俺は筋肉で重くなった体で一週間逃げ回った
『た…ただいま…』
【おや、随分と鍛えられたな? ゼノ。ディアは孫達に鍛えられてたぜ?】
ケタケタ笑う我らのビッグお祖母ちゃんは、紅茶片手に伸びたディアを指差している
俺はディアに近付いて抱き上げながら微笑んで見せた
『ご苦労様、ディア。そろそろ帰ろうか?貴方の世界へ』
「ええ、ええ。ゼノ…お帰りなさい。私と私の世界にご招待します」
荷物を纏めてミエルを連れ、ボスが繋いでくれた扉の前で1つ咳をした
黒と金縁の扉には、鴉と鍵と7色の宝石が描かれている
ボスと縁が無いと使えないこの扉は、新しく繋がれた絆
そしてこれから、俺達の時が動き出す
ようこそ、ナイトレイブンガレッジへ
俺はどの精神も受け継がないモノ
そして何処にでも行けて何処にも行けない半端な化物
きっと烏とも相性が良いだろう
行くぞ。彼らの未来を繋ぐ為に
(衣食住を考えてなかった。狩場か換金所って有る?ディア)
(一応有りますが、宝石でも持ってきたのですか?)
(金の延べ棒をありったけ持ってきたよ)
(……えーーー!?!!?)