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やっぱり無理だった
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人の噂も75日ということわざがある。そう。だから気にしなければいい。私さえ気にしなければ問題ない。問題ないんだ。ただこの手の話題はみんな好きなんだよね。
「ねぇ、ヨハンと別れたって本当?」
「うん。そうだよ。」
この質問に答えるのも何回めだろうか。段々質問に答えるのも億劫になってきた。それだけ彼が女子からモテていた。ということだろう。みんな私という彼女がいたせいか多少は遠慮してれていたようで、私とヨハンが二人でいる時はだれもヨハンに声をかけたりはしていなかった。
ちなみに今私がいるのは食堂。少し離れた席でヨハンが女子たちとご飯を食べている。私はそれを尻目に明日香とご飯を食べる。明日香が遠慮がちに私に声をかける。
「大丈夫?」
「別れたんだからヨハンが何しようと関係ないよ」
「そうじゃなくて…あなた顔色があんまり良くないし、ご飯だって全然食べてないじゃない。」
明日香がまだ何が言いかけたけど、私は気づかない振りをして席を立った。
「ごめん。私もう食べたから行くね。図書館に本を返しに行ってくる」
立ったはいいが少しふらついた。…なんだか体が熱っぽい気もするが、なんとか私は歩き出そうとした。
だが、少し歩いたところで倒れてしまった。
「「アカリ!!」」
倒れる直前に明日香たちの声が聞こえたような気がした。