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無自覚の微笑み
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「それにしても、みのりが無事で良かったよ」
助けられてよかったと付け足す炭治郎くん
『うん、本当にありがとうね』
私も炭治郎くんに微笑み返す
「ふふ、お二人はお似合いですね」
『「え!?」』
女中さん…ばあやさんって呼ぼう
ばあやさんの呟きに二人して顔を赤くする
『ちょ、ちょっと何を言うの!炭治郎くんに失礼でしょ!』
「は、はは…」
炭治郎くんは赤い顔のまま苦笑である
それに申し訳なくなって謝ると
『ほ、ほんとにごめんね…』
「そ、そんなに謝ることはないよ、別に嫌だったわけではないから」
『え、そうなの…?』
「あ、あぁ…」
と赤い顔で慰めてくれた
やさしい…
本当にやさしい人だ
会ったばかりだけど、素直に炭治郎くんに会えてよかったと思う
「そうだ、炭治郎さんは今日はお嬢様に会うためにこちらに?」
「あっ、あぁ、ええ、まぁ…」
炭治郎くんは顔を赤くして頷いた
心配してくれていたらしい
『ごめんね、心配かけて…』
「いや、俺が勝手に心配しただけだから」
『でもありがとう』
そう言ってふわりと笑うと、炭治郎くんはまた顔を赤くした
?なんでだろう…
無自覚の微笑み
(っ…!)