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ヒカリ
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ユリシスーーー.....
幸せの青い蝶といわれる綺麗な蝶.....
蝶の飛び交う籠を見つめ、そこから外に目を移す。そこからは自宅の横にある社が見え、赤い大きな鳥居が構えたつ。
「あ、掃除.....手伝わなきゃ」
そう言って立ち上がり外の社前へと足を進めた。
1度社に手を合わせ、ほうきを手に取り掃除を始める.....。
横目でしか分からなかったが赤い何かを捉え、手を止め振り返ればユリシスに似た1羽の赤い蝶が周りをクルクルと舞っていた。
「赤い.....蝶?なんでーーー.....」
「ーーー!?」
指先が蝶に触れるか触れないかで、眩しさを覚える光に包まれ思わず目を瞑った.....
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木材独特の感覚が肌に伝わり、ふと瞼を押しあげればどこかのお屋敷の渡り廊下だろうか.....床の冷たい感覚を残しながら体を起こす。
「ーーーアンタ.....どこから入った?」
軋む音と共に背後から声が聞こえ、咄嗟に振り向けば黒い服をまとった男が刀の柄を持ち構えて立っていた。
自分の制服姿も珍しいが向こうの男性の服装も奇妙で、何より"刀"という物に一瞬背筋が強ばった。