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カフェにて...
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しばらく歩くと、目的のカフェに到着した。
☆☆☆さんがドアを開け、私が先に入れるようにしてくれる。
お店の人に人数を伝えると、席へと案内された。
「わ~、美味しそうなのがいっぱいありますね~!」
写真付きの美味しそうなメニューたちは、私の空っぽのお腹をきゅっとさせる。
「私は、ブラックコーヒーとチョコのセットで」
「えっ!それだけですか?!」
「はい、***のキラキラした表情で胸がいっぱいなので」
「ぅ...///すぐドキッとさせてきますね...。うーん、ガッツリ食べれるメニュー頼みにくいなぁ...」
「遠慮せずに好きなものを食べてくださいね?」
そうは言われたものの、☆☆☆さんのメニューがおやつ並みなので、私もサンドイッチ系のメニューに決めた。
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「わ、おいしそう!」
ほぼ同時に注文したメニューが届いた。
☆☆☆さんのメニューは中身が違ったり、形が違ったりするチョコレートのアソートだった。
「うん、合いますね」
チョコとコーヒーを交互に味わいながら、嬉しそうな彼を見て「可愛い」なんて思ってしまった。
普段は可愛い、よりもカッコいい、クールって言葉の方がぴったりな人だから...
「***もコーヒーとチョコ、交互に食してみますか?」
「いえ、私はブラックコーヒー飲めないので、チョコだけ一つ頂きたいです」
「そうですか?苦みと甘み、交互に味わうのも癖になりますよ」
ワクワクしたように勧めてきた彼の提案を断れず、ちょこっとだけブラックコーヒーを飲ませてもらったが、やっぱり苦くてすぐにチョコを口に放り込んだ。
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☆☆☆さんは、コーヒーが気に入ったようで、帰り際にコーヒー豆とチョコレートのセットを持ち帰り用に購入していた。
お店を出て、手をつないで歩く。
この後は、いつものパターンだと私の部屋に行くことが多い。
「あの、☆☆☆さん...?このあとは...」
「今日は、***の部屋に行くのはやめておきます」
「ぇっ...」
一瞬、心臓が掴まれたようにきゅっと痛みを感じた。
いつものように、私の部屋に来てくれると期待していたのだ。
「先程、良いことを思いついたんです。」
「いいこと...?」
「はい。今日は、私の部屋に来てくれますか?」
「...!は、はいっ!///」
少し悲しくなったのは杞憂だったようで、良いことを思いついたと言う彼は、とても楽しそうに微笑んでいた。
...まさか、この微笑みの裏にあんな思い付きがあったなんて、この時はまだ、想像すらしていなかった。