▽にしおりをはさみました!
- しおりがはさまれています
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「お題にそって短歌を作ってみましょう。ラスト七文字を「触手なりけり」で締めて下さい。書けた人は先生のところへ持ってきなさい。チェックするのは文法の正しさと触手を美しく表現できたか。出来た者から今日は帰ってよし!」
触手を美しく表現なんて誰も出来ないと思う。
「先生しつもーん」
「……?何ですか茅野さん」
あれ?反応遅れた?
「今さらだけどさあ先生の名前なんて言うの?他の先生と区別する時不便だよ」
と、茅野さんが言うけれど別にこの校舎に来る先生なんていないから不便もなかったから気づかなかった。
まぁ確かに、月を爆った犯人とは名乗ったけれど名前は名乗ってなかった。
「名前……ですか。名乗るような名前はありませんねぇ。なんなら皆さんでつけて下さい。今は課題に集中ですよ」
「はーい」
茅野さんが返事した後
潮田くんが、席を立った。
「お。もうできましたか、渚君」
「(昼飯の後で僕等が眠くなる頃に先生の顔がうすいピンクになる時がある。茅野の質問への反応も少し遅れた。多分先生も一番油断する時間なんだ)」
正面に短冊を掲げながら先生の元へ向かう潮田くん。その短冊の裏ににナイフを忍ばせていた。
潮田くん、殺る気なんだ。
「(この進学校で落ちこぼれたE組は思う……どこかで見返さなきゃ”やれば出来る”と親や友達や先生達を、”殺れば出来る”と認めさせなきゃ)」
「……言ったでしょうもっと工夫を」
と潮田くんの持ったナイフを難なく止める先生。
殺意を完全に消してるように見えたけど、やっぱりダメなんだ。
そこで諦めたかと思ったら、潮田くんは先生の懐に飛び込んだ。
「しま……!」
「もらった!!」
と寺坂くんがボタンを押すとけたたましい爆発音が響き、B.B弾が弾け飛んだ。
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