-
無理やりな笑顔。
-
______俺の親父は白ひげ一人だ。
____弟なんだ、手出し無用で頼む。
__愛してくれて、ありがとう。
させない。
そんな悲しい結末。
そんなの、ダメ。
ダメ。
一生懸命、手を伸ばす。
___それは空を切った。
ガバッ!!!
『エーーーーースーーーー!!!!ん?』
鼻をくすぐるこの独特な匂い。
医務室???
「....な、なんだよっ!ビックリするじゃねーかっ!!」
横を見ると両手を軽くあげているエースがいた。
......よかった。
夢だった。
『...よかった。』
思わず涙がポロポロと流れる。
今はもう別世界の人じゃなくなったエース。
数ヶ月一緒にこの船に乗って
私の中で漫画を読んでいた時とは比べ物にならないくらい
大切な存在になっていた。
それはエースに限らずだけど。
そのエースが死ぬかもしれない現実を
私は、受け止めきれるのだろうか。
「なっ!.....どうした、ユカコ。」
真剣な顔をしてその温かい手のひらで私の涙を拭う。
___バタバタバタバタバタバタ...バン!!!!
「「エーーース!!テメェ!とうとうやりやがったか(ぃ)!!!」」
医務室のドアが勢いよく開かれると
そこには怖い顔をしたマルコとサッチ。
そして、一瞬にして壁にめり込むエース....。
『.......エーーーースーーーーー!!!あれ?デジャブ?』
「ユカコ!大丈夫か!....な!泣いてる!!!」
『いや!これはちがっ....』
「なんだと!!エーース!!オメェ!!海に落としてやるよぃ!!!」
あ、あぁ、マルコさん、そんなに足でエースを
壁にめり込ませてあげないでっ!!
「覚悟しろよぃ!!」
「覚悟するのは貴方達ですよ。」
サッチとマルコの後ろに黒い影が、、、
バキ、ドカ!!!
数秒後そこには頭に幾つかタンコブを作った
サッチとマルコと、いまだに壁と仲良しなエース。
それを腕組みしながら睨み付けるナースのマリアさん。
「まったく、病人の前で!何してるんです。隊長ともあろう者が!」
どうやら隊長格もナースさんにはかなわないらしい。
「「「でも、無事でよかった(よぃ)!」」」
いつの間にかエースも壁とさよならして
目の前でニコニコしてる。
鼻から出血してるけど。
そのせいか、少し笑顔歪んでるけど。
私もエースの顔をみてニコリと笑う。
私はこの笑顔を守ることができるのか不安だ。
side エース
いきなり俺の名前を叫びながら起きたと思ったら
よかったと言いながら涙を流すユカコ。
こいつが見せた初めての涙に
何だか胸が締め付けられて、思わず手を伸ばしていた。
まあ、なんか勘違いしたらしいマルコとサッチに
ボッコボコにされたが...
いてぇよ。容赦なしかよ。
その後ナースに叱られた俺達は
1週間目を覚まさなかったユカコに目を写し、無事でよかったと声を揃えて言った。
ただ、、
____エース、死なないで。
寝ている間にユカコがうなされながら言った言葉がひっかかっていた。
....To be continue.