やっぱり無理だったにしおりをはさみました!
- しおりがはさまれています
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やっぱり無理だった
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それからどのくらいの時間が経ったのかは分からない。気がついたら自分のベッドの上だった。
冷静に思い返す。倒れた後誰かか多分ここに連れて来てくれたんだろう。起き上がろうかと思ったが、まだ頭がぼーっとして起き上がる気になれない。
ベッドの横に誰かいる気配を感じた。多分明日香だろう。倒れるときにも近くにいたみたいだし。
「ごめん。明日香迷惑かけちゃって。私ヨハンと別れてから全然ダメだ。」
私が目も開けずに明日香がいるものだと思い込んでペラペラと喋り始めた。あぁダメだ。熱故のうわごとなのか全然止まらない。
「別れようって言ったのは私なのに、ついついヨハンのこと目で追っちゃうの。それでなんとかヨハンのこと忘れようと勉強したり、デュエルに没頭しようとしたの。でもダメなの。どうしてもヨハンのこと考えちゃうの。こんなこと言われても困るよね…」
「俺も同じだよ。」
あれ?明日香ってこんなにハスキーな声だっけ?いや、そもそも今俺って言った?明日香は自分のこと俺なんて絶対に言わない。
そこで私はようやく目を開けた。
「よ、ヨハン?!どうしてここに?!」
「アカリが倒れたのが見えたから。」
「…まさかここに運んできてくれたのは…」
「うん。俺。」
ヨハンがいるなんて夢にも思わなかった私は思考停止してしまった。
そしてパニックになった私は布団に潜り込んだ。
「なんで布団に潜り込むんだよ。」
「ごめん。さっきのうわごとは忘れて。」
「忘れられるわけないだろ。」
そこで私は布団を剥がされて、ヨハンと目があった。ヨハンは物悲しげに微笑んでる。
「別れようって言った時、ヨハンはあっさり納得したしてたじゃない。」
「それはしつこくしてアカリに嫌われたくなかったから。でも、後悔してる。やっぱり別れたくない。」
「でも…」
私だって別れたくない。そんな気持ちあふれてきて、涙がこぼれてきた。ヨハンは優しく拭ってくれた。
「アカリがなんで別れるって言ったのか、何となく分かってた。俺がもうじき帰るからだろう?」
ヨハンは涙を拭ってくれたが、もうしばらくは涙は止まりそうになかった。そんな私をヨハンは包み込むようにそっと腕の中に入れてくれた。
「バカだな。俺はアカリ以外の女の子に興味なんてないし、同じ空の下にいるんだから、いつだって会おうと思えば会えるよ。」
「でも…」
「俺だって
最初から私は彼と別れることなんて無理だったんだと改めて思った。