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心の中の炎。
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あれからルフィの一言で宴が始まった。
「「「....新しい仲間にカンパーイ!!!」」」
.....私おっけーっていってないんだけどな;
「気にしないで!アイツらは乾杯の口実が欲しいだけたから!」
ナミはそういって、私に紅茶を差し出す。
あー、そういうことね。
ありがとうと言ってそれを口にすると
口の中で紅茶独特の風味が広がった。
『アップルティーね。美味しい!』
「サンジ君が入れてくれたのよ。」
そういって甲板でマイと話をしているサンジを見やる。
マイは幸せそうに笑っている。
あの手配書の顔と同じだ。
『...手配書に書いてあるとおり、付き合ってるんだ?』
「そうよ。でも、サンジ君女のコに目がないから、マイも大変そうよ。」
....マイも苦労してるわね。
まあ、でもあの感じだと幸せそうでなにより!
そんなことを考えていたせいか
口角がゆっくりと上がるのが自分でもわかった。
あ、マイったらサンジにキスされて
赤くなってる。かわいい。笑
そんな私の視線に気がついたマイは
こっちを見て拗ねたような顔をしながらサンジを手の甲で押しのけている。
でも、そんな赤い顔して拒否しても
説得力ないよねー。
ナミもそれを見て笑っていた。
「.....そういえば、アンタは恋人いないの?」
唐突にそう聞かれて
私は、いないよ。
と即答すると、ナミはつまらなさそうにするが、
すぐに元の顔に戻すと、今度は好きな人は?と聞いてくる。
それを聞いてすぐに頭に浮かぶのはエースだけど、
本当に好きと言えるのか分からない。
つい最近までは漫画の世界の人だったし。
でも、これだけは言える。
『好きな人っていうよりは、命をかけてでも守りたい人....はいる。』
それを聞いたナミはポカンとした顔をした後、
口を開けて笑った。
「アンタ....馬鹿ね!!」
『...は、はい!?』
「アンタもうそれ、好きのレベルじゃないわよ。その人のこと、心から愛してるのよ!」
そういってニッコリ笑ったナミは私の腕を引きながらマイを呼びつけるとビビの所へ向かった。
ナミに連れられた私の顔はさっきのマイよりも真っ赤でそれを見たマイにさっきの仕返しとばかりにからかわれたのは言うまでもない。
ビビと合流した私たちはお互いの恋バナを話すという羞恥を迫られていた。
「で!マイはサンジ君とどこまでいったのよ!!」
ナミはいつもより生き生きしている。
それをビビが宥めるが、アンタも気になるでしょ!
と言われビビは口をつぐむ。
まあ、ビビも女の子だもんね。
そりゃ、気になるよね。
私も親友のマイのことだから
気になるし。
私はマイに視線を投げると私の視線に気がついたマイは観念したみたいで肩を落として
話だした。
『....キスはした。』
「...それはこの前も聞いたわ!夜の方よ!!」
すかさずナミが問い詰める。
ナミ、目がキラキラしてるよ。
横を見るとビビの目にも興味の字が浮き出ている。
それに観念したマイはコクンと小さく
頷いた。
もう、顔は今にも蒸気が上がりそうなほど真っ赤である。
一瞬からかってやろうかと思ったけど、
いまからかったら、明日が来ることはなくなりそうな予感がしたのでやめておいた。
ナミとビビはほっぺに手を当てて
キャーキャー言っている。
...女子だなぁ。。
なんて考えていると、今度は私に矛先が向いた。
「アンタの好きな人ってなんて名前なの?」
ナミは紅茶をスプーンで混ぜながら
そうきいてきた。
たまにスプーンがカップに当たる音が
綺麗に部屋に響く。
『....エース。』
そうハッキリ言うと目の前のビビが
目を見開く。
「エースって!あの火拳のエース!?」
マイは元々知っていたので
大人しく話を聞いているが、
ナミはまずエースのことを知らない。
「ナミさん、しらないの!?火拳のエースよ!あの、白ひげ海賊団、2番隊隊長の!!」
「ええ!?白ひげ海賊団!?」
あ、パパのことは知ってるのか!
流石パパだ。有名人。
「ってことは、アンタ!白ひげ海賊団なの!?」
嘘よ!って顔で私の肩を掴むナミ。
『...あ、の!そんなに、ゆらさ、ない、でー!』
そうナミに抗議すると、ハッとして私の肩から手をどける。
『ふぅ...私は白ひげ海賊団にいるよ。そして、今はエースを追っているの。いまから行くところにいるはずなの。』
「その、ユカコさんは火拳のエースさんに思いは打ち明けているのですか?」
そう、恐る恐る聞いてきたビビに私は首を横にふる。
「....早く会えるといいですね。」
ビビは机に視線を落として、ナミも同じくティーカップに目線を落としているが、
『....会えたら、告白しようと思うの。見守ってくれる?』
私のひとことで、視線を落としていた2人が勢いよく顔を上げて、次の瞬間にはニッコリと笑った。
それにニッコリと私も笑みを返す。
『...ほーんと、ユカコって変なところ肝座ってるよね。』
隣に座っていたマイは私の頭にポンと手を乗せる。
『...変なところってなによぅ。』
『そのまんまの意味だよ。...ばーか。』
『な!バカって!』
『頑張んなさいよ。....仕方ないからナミとビビと見守ってあげるわよ。』
『!!....うんっ!』
私の頭に乗っているマイの手はそっとユカコの頭を撫でた。
それを見たナミとビビは2人で顔を見合わせて笑った。
「本当に仲いいわね。あの二人。」
「お互いにいいお友達を持ててよかったですね。」
....To be continue