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誤魔化せない。
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side エース。
『エーースーー!!』
元気に俺の名を呼ぶ声に意図せず口角が上がるの抑える。
「...いいよなぁ。エースは、妹にモテモテで!!」
俺も妹にもっと懐かれたい!!
と隣でだだをこねるサッチを綺麗に無視して
声の方を振り返る。
「...おっと、」
ドンという衝撃と共にユカコが抱きついてきた。
「ユカコは大胆だな。」ニヤリ
『...////』
「...え、俺の存在無視なの?」
耳元で意地悪くそう言ってやると
途端に顔を赤く染めるユカコ。
....その顔はヤベェ。
俺は顔を赤くしながら怒りはじめたユカコの
頭を少し乱暴に撫でてやる。
『...もう、エースのばかっ!』
そういって走っていくユカコを
見送る俺とサッチ。
「....で、エース。お前はいつまでそうしてんだ?」
「うるせぇ。」
「ハァ...まあ、頑張れよ!」
サッチはわざとらしく、あっついねぇ~とか言いながらその場を去っていった。
俺は、少し赤くなった顔をテンガロンハットで
隠しながら食堂へと足を進めた。
今日はかなり海が荒れていて、
能力者の俺は危なくて甲板にすら出れない。
夜になると昼間そんなに動いてなかったせいか
全然ねれなくて、腹が減った俺は盗み食いするため
船内を歩く。
『サッチ!!!!』
ユカコの叫び声に近い声を聞いて
何事かと、俺は走って声の方に向かう。
「何があった。」
俺は焦ったサッチをみて、ただ事ではないと
思いサッチが抱えている人をみやる。
サッチからそいつを受け取ると
真っ青な顔をしたユカコで、
俺の血の気が一気に下がる。
「ユカコ!!!!!」
ユカコの顔を見ると意識が朦朧としているのか
目の焦点があっていない。
「おい!ユカコしっかりしろ!!!」
俺の呼びかけも虚しくユカコは
気を失った。
「クソッ!!!誰がこんな目に!!!」
「おちつけエース。とりあえず、ユカコを医務室に運べよぃ。」
俺はユカコを抱え直す。
マルコの言う通り、早くコイツを医務室に運ばなきゃなんねぇ。
「.....ティーチだ。」
その名前に、俺は足を止める。
「なんだと?」
よりによって、ティーチ、だと?
あれから、5日間。
ユカコは目を覚まさない。
「エース。お前そろそろ寝ろぃ。」
「俺はここいにいる。」
「....程々にしろよぃ。」
俺はユカコの頭を撫でてやる。
「いつになったら、また俺の名をよんでくれるんだ?」
そのまま手を唇にもっていくと
軽くなぞってやる。
もう、限界だった。
元気に笑顔で俺の名を呼ぶこいつを
最近、妹として見れないことは自覚していた。
「...早く、帰ってこいよ。ユカコ。」
そうして、先ほどまで俺の指が撫でていた部分に
俺の唇を重ねた。
「好きだ。」
だからこそ、こいつをこんな目に合わせた
ティーチを俺は
____ぜってぇ許さねぇ。
....To be continue.