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シリアスは柄じゃないってさ。
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『エースっ!!!!!!』
思いのままにエースに飛びつくと、ちゃんと受け止めてくれるエース。
しかし、すぐに私の肩を両手て掴んで離すと
「こんの、バカッ!!!!!!!!」
『ひっ...;;だって....』
「だってじゃねぇ!!!!!!!!」
うっ...と言葉に詰まる。
誤魔化すように横をチラリとみると、エースとルフィを助けたハット帽の男がこちらを見て...
....必死に
...笑いを堪えていた。
....
.....
『....え。』
なんで?
なんでそこで笑う?
人が怒られている姿がそこまで面白いのか?
人の不幸は蜜の味ってか?
だとしたらとんだドS野郎だな?
目が合うとニッと笑ってハット帽の端を人差し指でクイッと上げる。
『!!!!!!』
なるほど。
納得。
「お前らっ!海軍がビビってる間に早く撤退するよぃッ!!!!!!!!」
上空を飛んでいるマルコに急かされて私たちは再び足を動かした。
どうやら船に乗り込むのはあとは私たちだけらしい。
たった今、兄弟達に担がれて船内に入っていった血だらけのパパを視界に捉えて少し不安になるが、私たちの船の横にトラファルガーの潜水艦が浮いているのを見て、不安はなくなった。
あとは、私たちが全員であの船に乗り込むだけ。
後ろを見ると海軍が走って追いかけてくるのが見える。
『...先に行って!!!!!!』
マイはそう言って立ち止まる。
『ユカコだけにカッコつけさせてやんないからね~』
私たちが船に乗り込んだことを確認したマイ。
『行くわよ。』
次の瞬間。
_____ドンッ
『な、、あれは、、覇王色の覇気!!!!!!!!』
広範囲で次々と倒れていく海兵たちによりその覇気がどれだけ強いかを物語っている。
海兵が倒れたのを確認するとすぐに私の横の甲板に飛び乗ってきた。
『...いつの間にそんな、覇王色の覇気なんて;;;』
『へへーん。まだまだユカコには負けないっての!』
『黒足の女....恐るべし。』
そうこうする間に出航した船は、少しずつマリンフォードから離れていく。
砲撃やら飛んではくるが、白ひげ海賊団の隊長格が総出で船に届く手前で砲弾を落としていく。
しかし、問題がひとつ。
マリンフォードの門は固く閉ざされている。
「俺がやるッ!!!!!!!!」
私の目線を追ってそのことに気が付いたエースがニヤリと笑う。
すると、私を素早く抱っこして、甲板を強く蹴りマストの上へと着地した。
『え?なんで、私を?』
「俺だけの威力じゃ足りねぇ!」
私の腰に腕を回して自分に近づけるエースに顔が赤くなるのがわかる。
「力をかしてくれ、.....俺の嫁さん?」
耳元でわざと囁いたエースは意地悪く笑う。
それに余計に顔が熱くなるのを自覚すると拳をギュッと握った。
その刹那、船の周りの海水がうねり私の周りに龍のように纏われた。
『...もうっ////』
恥ずかしさに囁かれた方の耳を抑えてエースを睨む。
「ッ...////....ほらっ、行くぞっ!」
『はいよっ!』
それを合図に私は水を、エースは火を解放する。
『「水/火拳ッ!!!!!!!!」』
同時に放った、水と火は反発すること無く混じり合い、マリンフォードのおおきな門を粉砕した。
その下を私たちの船がくぐりきると
仲間達のおおきな歓声があがった。
それをマストの上から眺める私とエース。
下からマイが笑顔で見上げてピースをしてきたので、同じく満面の笑を浮かべてピースを送った。
こうして、私の目標は達成された。
エースを助ける事ができた。
ふと、横をみるとエースと目が合う。
「なぁ、ユカコ。」
『ん?』
「お前に、伝えたいことがある。」
急に真剣な表情をしたエースに顔を両手で包み込まる。
その緊迫した様子に下で騒いでいた仲間達も空気を読んで静まり返る。
「こんな、危ねぇ所まで、
助けに来てくれて、
こんな、俺を、
.....鬼の血をひく、この俺を、
______愛してくれて、、ありがとう。」
その言葉は、漫画でエースが最後に残した言葉。
エースが、死ぬ場面のセリフだから、なるべく聞きたくなかったセリフ。
そのセリフが今、一番好きなセリフに変わったの。
私は我慢しきれない涙を溢れさせる。
「泣くなよ。...ユカコ。」
『え、エースぅ。』
「ん?」
優しく私の頭を撫でてくれるエース。
『エース。これからも、ずっと、すきだよ。
ごめん、やっぱり......うそ。』
「はぁ!?」
嘘なのかよっ!と慌てているエースの腕を力いっぱい引き寄せて唇を塞いだ。
『嘘だよ。....だって、好きじゃ足りないくらいに______愛してるから。』
その言葉を皮切りに下から再び歓声が上がる。
「...ユカコ。」
『ん?』
「...今夜、覚悟しとけよ?」
『.....え?』
「.......今ので理性が限界に近い。」
『「ヤれヤれ~ぃ!!!!」』
『いや、お兄様たち!?そこは、妹の危機とかいって止めるところじゃね!?そしてちゃっかりマイまで!?』
「さっさとヤっちまえよい。」
『おいいいいっ!長男がそれでいいのかァ!?』
「ユカコちゃん!明日の朝は赤飯炊いておくぜっ!」キラーン
『いや、キラーンじゃねーよっ!』
『エースっ!ユカコの弱点は背中だっ!そーっとなぞるとだなぁー』
『いや、マイはなにをエースに吹き込んでんのおおおおぉ!?』
「グラララララ~、オメェら!今夜はエースの部屋には誰にもちかづくなよ?」
『パパ!?怪我大丈夫なの!?ってか、感動の再会の初っ端でこんな話!?』
「お!親父!ありがとうなっ!」
『エースも、なんでそんな普通に会話!?』
「泣かせるなよ?」
「な、なるべく優しくするっ;;」
「グラララララ~」
『え、みんな私のことスルー?』
シリアスな場面のはずが何故こうなる!?
まったく。この船はほんとにあきねーなァ!(ブチギレ?笑)
.....To be continue.