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仕事終わりの彼と...
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私の大好きな彼、☆☆☆さんは忙しい人だ。
けれど、私のことは本当に大事にしてくれるし、なんならお仕事よりも優先してくれる事だってあるくらい。
今夜は仕事終わりの彼と、前から行ってみたかったカフェへ行く約束をしている。
「***」
「はいっ...!」
職場から出たところで、後ろから呼ばれて振り返ると、そこには☆☆☆さんが居た。
「今日もお疲れ様です。体調などは大丈夫ですか?」
丁寧な言葉で私を気遣う☆☆☆さんは、優しく微笑みながら私を見つめる。
「...***?」
「あっ...、はい、大丈夫です!」
思わず彼に見惚れていた私は、慌てて返事をする。
「もしかして私に見惚れていましたか?」
「...っ!なんで分かっちゃうんですか...、恥ずかしいです...」
「ふふっ、***の考える事は大体見当がつきます」
「さすがです...」
「まぁ、私も同じようなものですが…」
「えっ?それって、☆☆☆さんも私に見惚れてたってことですか...?」
「そうですよ。あなたはいつも美しいですから」
こちらが照れてしまうような言葉をさらりと言ってしまうのは、いつものこと。
ドキドキして顔が熱くなるのが自分でも感じ取れた。
「ほら、口を開けてないで行きましょう、お腹が減っているのではないですか?」
無意識に口が開いていたことを恥ずかしく思ったのも束の間、彼に手を握られ、目的のカフェへと歩き始める。
さりげなく私のカバンを持ち、微笑みを向ける彼に、私の心臓はより一層鼓動を早くした。
街行く女性たちが、一瞬彼に見惚れている事をわかりつつ、この彼は私の彼なんだという幸福感に包まれる。
誰よりも大切に扱ってくれる彼に、毎日「大好き」の気持ちが溢れて仕方ないほど...。