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第二話:囚われの宝
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ホラーをまた仮面ライダーに変身して倒し、それから何事も無かった様に無事に帰宅。宿題も終わり、風呂も上がり、薬を塗って、手を洗って洗面所から出ようとした。が、大ショッカーの戦闘員が立ち塞がっている。「退けよ。ん?あっ、あの時のちょいと親切な戦闘員さん!」「久しぶり。お嬢ちゃん。スペースワールドのショッカーお化け屋敷以来だ。大きなったなちょっとごめんよ〜」「え?」(布?眠い...)バタッ。丁度その時、これからデートに行こうと約束してのえみの風呂上がりを待っていた大樹が音に気付き洗面所に来た。「のえみちゃん...?」落ちていた置き手紙を拾い上げ、大樹はそれを読んだ。
翌日。門矢写真館はいつも通り営業中だが、どこか物足りない空気が流れていた。「大樹さん、いつも通りのはずなのにどこか違う感じがする...」姫が今にも産まれそうなお腹を擦りながら、大樹を心配しながら言う。「あぁ。そうだな」士が姫の隣に座る。「とにかく、話、聴いて来るだけ聴いて来る」姫が立ち上がろうとすると、士はそれを止める様に姫の腕を掴む。「邪魔しないで」「いいや、俺が聴きに行く。お前は座っていろ」「...は〜い」渋々聞き入れた姫はもう一度座り直す。士は窓際の換気扇の上に座る大樹に話し掛けようと近寄った。それを物凄く警戒していた大樹がネオ・ディエンドライバーの銃口を向けた。「海東、安心しろ。俺だ」安心した大樹はネオ・ディエンドライバーを下ろす。「何だね、士。僕になんの用かい?」「あぁ。一つ海東に聴きたい事があってな」「それはなんだい?」「海東、何かあったのか?」「士には関係ない事だよ。これは僕の問題だ。この問題は、僕の力で解決する」「のえみに何かあったみたいだな」士に確信を突かれた大樹はグゥの音も出なかった。「図星、か。大ショッカーとホラーの復活が関わっていそうだな。どうだ?海東も探ってみるか?」「あぁ」二人はスタジオの外に出た。パサッ「ん?」姫が大樹が落としたのだろう紙切れを拾い上げる。「手紙...これ、のんちゃんの字...あ〜失恋したと思ったんだ〜後で士君に渡しておこうかな〜よし、散歩しよう」姫は士と大樹を追い掛ける様に散歩に出て行く。
「ん?ここどこ?」起き上がったばかりののえみは、周りを見渡す。「誰もいない...よし、散歩がてら外に出よう。ん?声がする...」のえみは扉に耳を当て、よ〜く耳を澄ます。(士君と大樹さんの声...?私のいるこの部屋に入って来る...)のえみは慌ててベッドの下に潜り込んだ。 ギィーと扉を開け、部屋の中に入った。「ここから、確かにのえみの声がした」「あぁ。ん?」「海東、どうかしたのか?」大樹はベッドのシーツを捲りあげた。「のえみちゃん、安心したまえ」「あぁ。のえみ、安心しろ。」のえみは安堵のため息を吐きながら、ベッドの下から出て来る。頭や着ていた服に付着したホコリをパッパっと払う。「良かった。今から、散歩しようと思ってたの。あの置き手紙はね、戦闘員さんに無理矢理書かせられたの。マジでごめん」ホッとした空気が流れて、外に出ようと扉に手を伸ばした。
三人が外に出た後、どうやって大ショッカーとホラー共を探すのか門矢写真館で作戦会議を開いた。姫は既に散歩から帰って来ている。「あのね、大ショッカーはね、確か、三奈子ちゃんが何かを企んでいるっぽいの」のえみがそ言うと、門矢写真館のスタジオ内の空気が凍り付く。それと同時にやっぱりか...という空気も流れていた。「のえみちゃん、それは言わなくても分かっている事だよ?当たり前の事を言わないでくれるかい?」「何か...ごめん」「フフフ...小真面目だね。ま、そこものえみちゃんの可愛い所だったね」のえみも連られて、鼻で笑う。