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女の子のベリーショートは可愛い
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「鬼兵隊、俺に続け…!」
高杉が言うと男達は喊声を上げ天人を斬っていく。それに負けじと喰らいついて行く主人公の名前。
時には高杉の背後を守り、先陣を切って敵を薙ぎ倒していく。
天人の死体が転がる中、周りとは違う静けさを感じ取った。
「晋助…この辺り不気味じゃないか?」
「不気味も不気味…、なんかありそうだなァ」
ニヤリと笑う高杉を背中に感じ取った瞬間、天人達が死体を掻き分けて二人を取り囲む。どうやら死体の下に潜り込んでいたらしい。
「天人は趣味が悪ィな…」
「そうだな…まるで顔と同じだ」
冗談をぼそりと言うと、高杉はくつくつと喉の奥で笑った。じわりと汗が頬を伝う。
「よォ、鬼兵隊の大将殿。それに黒夜叉も一緒か」
「へへへへ!こりゃいい首が揃ってますねぇ!」
天人が武器をガチャガチャと構え始める。すると高杉が呟いた。
ーーーーー死ぬなよ
次の瞬間、一斉に天人が二人を襲う。次から次へと倒し前に進もうとすると高杉が天人に足を蹴られ、右手を踏まれていた。
「晋助!!!!!」
「主人公の名前!来るな!!!!」
一心不乱に高杉駆け寄り助けるべく刀を振り上げた瞬間、主人公の名前は髪の毛を掴まれ宙へ浮く。
「っあ!!」
頭皮を引っ張られる痛みと、脳味噌が揺れる感覚に吐き気を覚えた。天人を見ると狙っているのは確実に首だ。宙に浮いている体制では天人の手を切り落とす事も難しい。天人は首を斬ろうと大鎌をスイングさせた瞬間、主人公の名前は掴まれている自分の髪の毛を刀で切った。
すると大鎌を振った天人はその出来事にびっくりし主人公の名前を睨みつける。
「このクソ女め!」
地面に着地すると同時に天人の腕を斬り、心臓を穿く。そして駆け寄り高杉を斬ろうとしている天人の首を撥ねた。
「晋助!!」
「悪かった」
ふらりと立ち上がる高杉をみてホッとした。生きている、守れたんだと。すると高杉が無残に短くなった主人公の名前の髪の毛に触れた。
「…これで、晋助と同じ髪型になったな」
へらりと笑う主人公の名前に高杉は目を見開き顔を赤くする。その場に居た天人は高杉、主人公の名前の手によって全滅していた。
***
陣営に戻った高杉と主人公の名前は井戸水で体を拭いていた。あちらこちらには刀傷。はぁ、とため息を吐くと新しい刀傷の周りを拭いて消毒をする。
「なんだもう帰ってきてたのか」
桂が高杉を見掛けるとそう言って身体を拭くため井戸にやってくる。
「主人公の名前…!髪の毛、」
「イメチェンだ。小太郎と髪型が若干被っていたしな。」
「そうか、俺も思っていた所だ。これで後は堅物キャラを辞めてくれればいいんだがな」
クスリと笑う桂を横目に髪の毛に触れる。またため息を吐くと坂本と銀時がふらりと顔を出す。
「主人公の名前、なんだてめェイメチェンかよ」
「あぁ、悪いか」
「似合ってんぞ」
「ほんまじゃあ!よぅ、似合ちゅう!」
その言葉にピクリと眉毛上げると徐々に顔が赤くなって体を拭いていた手拭いを雑に洗う。高杉は銀時をきつく睨むと自室に戻った。
「あれ?おまんら主人公の名前の事好きがな?やき睨み合うちゅーが?」
カラカラと笑う坂本を見ると銀時が顔を真っ赤にして頭を鞘で殴った。チラリと主人公の名前を見ると手拭いを洗い干していた。
「主人公の名前はどうも思うちょらんみたいよのォ」
小声で銀時に伝えると再び殴った。
「いったーーーーっ!!!」
「うるせェ!脳天気め!!!」