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熱。エース/甘微裏夢(ゆいさんリクエスト)
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起きたら天井が歪んでいた。
おまけに頭痛が酷い。
なんとか起き上がるもだるくてまたベッドへと
倒れ込む。
昨日寒い中、夜の見張りをしていたせいだとは思うけど、
「ユカコ!起きろ!」
『...エース?』
布団の中に潜っていた私は声でエースと認知する。
「...どうした?」
私の声色で分かったのか、エースが心配そうに
布団をめくる。
『...あたま、痛い。』
「...どれ?」
エースは私の額に手をのせる。
「あついな。」
渋そうな顔をして、私の布団をかけ直すと
走って部屋を出ていった。
「んー、疲労が溜まってたみたいね!この薬飲んで、あとは安静にしてなさい?」
あの後、エースはナース長のマリアを呼んできてくれた。
『マリア、忙しいのにごめんね?』
「そうじゃないでしょ?」
『....ありがと。』
うん、と頷くとエースになにやら耳打ちして
出ていった。
なにを耳打ちしたのか気になったが、今は聞くのもだるい。
「...とりあえず、薬飲めるか?」
私をゆっくり起こしたエースは
私の口元に粉状の薬を持ってくる。
『.....。』
「ユカコ?」
『粉薬、苦手。』
それを聞いてエースは少し考えるような仕草をした後、おもむろに薬を自分の口に水と一緒に
含む。
....嫌な、予感。
『....んっ....んん....っ』
まさか薬を口移しなんてされると思ってもみなかった。
「ん、飲み込んだか?」
なんでこんな平然と、、
いや、少し顔が赤い。
恥ずかしいはずなのに、私のためにここまでしてくれたって考えると素直に嬉しかった。
「少し寝てろ。」
エースはベッドに私をもどすと、部屋を出ていこうとする。
咄嗟に手を掴んだ。
「...ユカコ?」
『あの、.....傍ににいてほしぃ....。』
「なっ////」
『ダメ?』
そういって、エースを見上げる。
「あー、いや、でもよ。」
『お願い。』
そう言うと、エースは折れて、
近くの椅子に座るが、
『エース、隣にきて?一緒に寝よ?』
自分でも大胆だと思う。
でも、エースが隣にいることで、安心感を得たかったのだ。
「お、まえなぁ!////」
それでも、エースをみて、もう1度お願いした。
「....しらねーからな。」
何が、どう知らないのかは謎だが、
とにかく隣に背を向けて寝転んだエースに
布団を掛けてあげる。
エースは背を向けて寝転んでいるため
エースの背中にあるパパのマークが
こっちを見ている。
それに手を這わせるとエースがビクリと
反応した。
『パパだぁ~』
「あ、あぁ。親父のマークか。」
『なんか凄く安心する!』
ぎゅーっとそのマークに抱きつく。
私は熱を出すとどうやら甘えたになるらしい。
でも、私がしたそれは必然とエースに抱きつくことに繋がるわけで、またエースがビクリと反応した。
すると、突然私の目の前がエースでいっぱいになり
その後には天井が見える。
「お前、さっきから誘ってんの?」
熱のこもったエースの目が私を捕らえる。
『え、////』
「ナース長にはよ、病人に手出すなって言われたけど、ここまでされたら、.......我慢がきかねぇ。」
そう言いつつキスをされるが、
私はなにせ、今風邪をひいているわけで、
『...ダメだよ!風邪うつっちゃう!』
「....無理だ、もう遅い。」
そういって私の口内を動き回る
エースの舌使いに、私の体は言うことをきかなくなっていく。
そのうち、背中をずっと撫でていたエースの手は
一瞬で私のブラのホックを外し、優しく背筋に指を這わせる。
それにゾクゾクして、声が漏れた。
「気持ちいいか?」
意地悪な顔でそう聞いてくるエース。
私は恥ずかしいながらも小さくうなづいた。
「今日は随分、素直だな////
あんま煽るなよ?」
優しくしてやれなくなる。
耳元でそうささやいたエースに身を任せた。
朝になり、ユカコは
体を起こす。
昨日よりだいぶ体が軽くなった。
....腰は痛いけど。
隣を見るとエースがまだ寝ていた。
少し布団からはみ出して寝ているエースに
布団をかけなおすときにふと、あることに気がつく。
『....これは、マリアに怒られるわね。』
____炎も風邪をひくらしい。
end.