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「6時間目小テストかー」
「体育で終わって欲しかったよね」
「傾向と対策、お教えしましょうか?」
「マジ!頼むよ、東西南北さん!」
「……!」
杉野くん達と教室に向かっていると急に立ち止まる潮田くん。
「潮田くん、どう──「カルマ君……帰って来たんだ」
校舎の方を見上げる先には赤髪の生徒。
「よー渚君、久しぶり。……わ、あれが例の殺せんせー?すっげ本トにタコみたいだ!」
と運動場へ降りてくる。殺せんせーもそれに気がつく。
「赤羽業君……ですね。今日が停学明けと聞いてました。初日から遅刻はいけませんねぇ」
「あはは 生活リズム戻らなくて。下の名前で気安く呼んでよ。とりあえずよろしく先生!!」
と握手をしようと手を差し出す。赤羽くん。なにか、企んでる、よね?
「こちらこそ楽しい1年にして行きましょう」
先生も触手をだして握手する、瞬間。殺せんせーの触手がドロっと解けた。
「!」
殺せんせーの動揺を逃さず、ナイフを袖から繰り出し第二撃を加える。しかし、間一髪先生はそれを躱した。
「……へー本トに速いし、本トに効くんだ対先生ナイフ。細かく切って貼っつけてみたんだけど」
ヘラリと笑い、手に貼り付けた状態を見せる。
ナイフをナイフとして使わない、か。着眼点が違う。
「けどさぁ先生。こんな単純な〝手〟に引っかかるとか………しかもそんなとこまで飛び退くなんてビビリ過ぎじゃね?」
と殺せんせーに近づいて行く。
そう言えば、先生に直接的なダメージを与えた生徒って初めてじゃない?
「殺せないから〝殺せんせー〟って聞いたけど………あッれェ。せんせーひょっとしてチョロイひと?」
彼の相手を煽るこの姿勢何とかならないかなぁ……