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アパートを出て駅に向かう。音楽を聴こうとイヤフォンを歩きながら漁り、手に取るとぐちゃぐちゃになっていた。
この辺の周囲は最寄り駅が数個ある。少し歩くと乗り換えなしで家まで直帰出来る事を最近知った。
その道のりも覚えてしまっている程に通い詰めている。
そう思うと頭がおかしいんだと再確認した。
イヤフォンの絡みが解消されスマホを取り出すとメッセージが入っていた。
ぎんとき 3分前
気ぃ付けて帰れよ
…いつもなら私からメッセージ送るはずなのに。
不思議な感覚に襲われ胸がチクリと痛んだ。
この関係いつまで続けるつもりなんだろう。いつになったら終われるのだろう。このままでいいものだろうか。付き合ってもない、告白まがいな事はした。
返事は「んー、知ってた」だけだった。
きっと彼は自分のことを好きな女の子を狙って食べている。
まぁ、嫌いな奴にわざわざわざ手は出さないよね。
私の友達に、姉妹はいるのかな。みんなひた隠しにしてるだけだよね。
なんて思いながら地下鉄へ続く階段を降りていった。
長居してごめんね。お邪魔しました。
と、メッセージを送ってイヤフォンから流れる音のボリュームを上げて電車に乗り込んだ。